2007年12月30日

18.打ち上げ?

ゴンドラの下に行くと、一行がほぼそろっていた。
いないのは阿守とタラ、中原さんぐらいで、雄作たちも帰ってきていた。
試みにヴィンセント・ギャロの感想を訊いてみると
「無茶苦茶遠かったです」
とステージの遠さを口にするばかりで、ヴィンセント・ギャロについては多くを語ってくれなかった。

タラの不在を指摘すると、
「寝るとか言うてキャンプサイトにいったで」
とタッキーが答えた。
それで初めてタラの不在に気付いた軍司は
「ホンマに!?アイツ・・・寝ささへんぞ」
と軍司はタラの携帯電話を鳴らす。
「おい、お前何しよんぞ?・・・え?迷った?」
どうやらタラは星の数ほどあるテントの中から、自分達のテント見つけられなかったらしく、キャンプサイトをさまよっているようだったので、キャンプサイト入り口で合流することにし、軍司、俺とほか数名がキャンプサイト入り口付近の屋台へ買出しに出た。

キャンプサイト入り口で無事タラと合流したお使い組は、いくつかの飲み物と、食料を買って一行のいるゴンドラ下へ戻った。
「タッキー、豚汁買ってんけどやぁ、来る途中になんか知らんけど中身が減ってしもてん」
と、軍司が手に持った豚汁の容器をタッキーに見せる。
「寒すぎて蒸発したんかなぁ?」
容器の底に、申し訳程度に残っている豚汁を見たタッキーは
「いやいや蒸発も何も、具までなくなっとるやないか。君が食ったんやろ?」
と、軍司の罪をあっさり見抜いてしまった。

一行が座っているところに、銀紙のようなシートが敷かれていた。
ものすごく薄い、銀色のナイロンのようなシートだった。
「なんか、NASAがどうのこうので、断熱がどうとかこうとかいうシートらしいから買ってんけど、広げてみたらびっくりするぐらいペラッペラやったわ」
と、このシートを近所のホームセンターで購入した真鍋がシートについて説明してくれた。

1時間ほどでささやかな酒宴は終わり、一行は寝るために解散。
タッキー、雄作、陳さんはテントで寝るためにキャンプサイトへ。
キャンプサイトはもうこりごりのタラと、初めからテントに見切りをつけていた軍司、山本さん、真鍋、マークは車中泊のために駐車場へ向かった。

俺はというと、スズキさんが
「いまちょうど卓球やってるから、ちょっと見に行ってみようかなと思ってる。レッドマーキュリーやったらここから近いし」
というので、俺も一緒に『石野卓球』を見に行くことにした。

俺は中学時代、『電気グルーヴ』を聴いていた時期があった。
しかし、テクノに興味があったわけではなく、単に歌詞が面白いから、という理由で聴いており、彼らの音楽的な部分には全くの理解がなかった。
その後、音楽を始めて十数年、いまなら少しは石野卓球という人物の音楽を理解できるようになっているかもしれない、と思い、スズキさんについてレッドマーキュリーへ行ってみた。

とにかく凄い人だかりだった。
「とりあえず行けるとこまで行ってみようか」
と、2人で人ごみをかき分け、前へ前へと進む。
時折、周りが「ワー!」と盛り上がるので、我々も合わせて手を挙げ声を上げた。
そして、ステージ近くに辿り着いたのとほぼ同時に、石野卓球のステージが終わったので、2人はそこから離脱した。

「どうやった?」
レッドマーキュリーを離れた後、スズキさんに感想をきかれたものの
「周りが盛り上がってる所で合わせて盛り上がってはみたものの、正直なんで周りがあそこで盛り上がってんのかは全くわかりませんでした」
と、正直にテクノが理解できなかったことを告げると
「実は俺もやねん」
と、スズキさんもテクノを理解できなかったことを白状した。

いくら長いこと音楽に携わっているとはいえ、違う畑のことはあまりよくわからないらしい。
posted by hilao at 09:35| Comment(0) | 本文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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