2007年10月05日

12.テントを建てる

フジロックの会場には『キャンプサイト』というテントを建てるスペースがある。
そのキャンプサイトを視界に捉えた我々は、その異様な光景に目を見張った。
見渡す限りテント。
このような光景など今まで見たことが無い。
一体どれほどのテントが建ち並んでいるのか。

アーティストパスがあればキャンプサイトには自由に出入り出来る。
タッキーが入り口でアーティストパスを見せたところ、受付の人間は少し驚いてこちらを見た。
「えーと、これあったら入れるんですよね?」
「え、いや、あの、はい。いや、えーと、出演者の、方ですよね・・・?」
「あ、出演者です。けど、テントで寝るんです」
「ああ〜、そうですか。おつかれさんです」
なるほど、出演者がキャンプサイトを利用することはまずないらしい。

先ほど述べたとおり、見渡す限り一面テント。
ということは、テントを建てるスペースを探すのが大変ということになる。
入り口、即ち会場から近い位置は既にテントで埋め尽くされており、スペースを探して我々は歩いた。
「あの辺いけんちゃうん?」
と、誰かが指した所には確かにテントを建てられそうなスペースがあったが、随分距離があった。
そのスペースに辿り着いた時点で、一行は既に体力の大半を使い果たしていた。

キャンプサイトに来る前の段階で社長がフラフラとどこかへ姿を消してしまい、このときここにいたのはメンバー7人とタッキー、中原さん、スズキさん、陳さんの10人で、しばらく経って護衛のマークが合流した。

一行は早速テントを建て始めた。
とにかくアウトドアが全く似合わない者ばかりだったから、もちろんテントを建てた経験のある者などいない。
まずは社長のテントから立て始めたのだが、最近のテントは素人でも建てられるようになっており、四苦八苦しながらもなんとか建てることが出来た。
が、全員がそのテントを見て首を傾げた。
「このテント、8人用って言ってなかったっけ?」
どう頑張っても4人寝るのが精一杯、という大きさのテントを前に、疑問符をちらつかせていた一行だったが、山本さんがその謎を解いた。
「わかった!オールスタンディングで8人ですわ!!」
その言葉に大いに納得した一行は、続いて中原氏の用意したテントを建てた。
こちらも何とか建てることが出来たが、それを前に一行は絶句した。
それはどう見てもテントと呼べるシロモノではなかった。
屋根の部分はしっかりしたテント生地だが、壁(?)の部分は完全に網。
「ん〜、これは完全に蚊帳(かや)だねぇ」
と、中原さんは自分の用意したテントを見てそういった。
そう、それはどう見ても『屋根付きの蚊帳』だった。

この時点で、一行の何割かが『車で寝よう』と決意したのだった。
posted by hilao at 12:33| Comment(0) | 本文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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